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金沢工業大学大学院
知的創造システム専攻
主任教授 池田 誠 氏

日本教育を変える業界の異端児 金沢工業大学院の池田教授が語る
「人生を成功するための資格講座」第一回

 
  次のキーワードを理解できればあなたは必ず成功する
知的創造社会
コラボレーション
コアとノンコア
センス&レスポンド型経営
知的創造人
 
 

 自分たちが生きている日本はいまだ長引く不況と先の見えぬ社会経済に迷走しています。最近少々景気が上昇傾向にあるといっても、「ITバブルの崩壊」の次には「デジタルバブルの崩壊」が到来すると噂されています。日本は情報家電など新たな商品価値を生みだそうと努力していますが、基本的には「ものづくり」を中心とする社会経済システムから脱却できないようです。

 「ものづくり」を中心に考えるとどうしても「もの製造拠点」はグローバルに分散された生産拠点へとシフトされ、最終的には生産拠点の国にビジネスを奪われてしまう傾向にあります。
 この為、日本は日常的な技術や製品を海外にアウトソーシングする戦略を求める一方で「コア・テクノロジー」の強化をはかり「新しい付加価値を生み出す技術領域」へのシフトを求められています。

 このように日本の運営のパラダイムシフトが求められる背景にはITの進化があります。
古き時代の産業革命の「蒸気機関エンジン」や「エネルギーエンジン」と異なり、21世紀の「ITエンジン」は「ムーアの法則」に従って高速度で進化し続けており、世界同時使用可能な機能を保有してリアルタイムに世界の隅々まで入り込んできます。

 このエンジンの影響は国家のあり方から企業経営、個人のライフスタイルまで及びますが、その凄さ、怖さを実感している企業、個人は少ないように思えます。この革命期にあって政府はe-Japan戦略を発表して「ものつくり社会」から付加価値の高い「知的成果」(発明やビジネスモデルや著作物等の無形資産)の「創造」を活性化させる社会経済システム、すなわち「知的創造社会」への変容を求めています。

 しかしながら「知的創造社会」はインターネットを通じて世界の一体化という「グローバリゼーション」をもたらし、地球全体を一つの市場とみなし、企業内の拠点をこえた販売網・物流網・情報網への指向と体制を追求し、全世界同時に製品を発表し、同じ価格と品質とサービスで同じ納期を実現する「グローバル・リアルタイム社会」であり、企業は「グローバル・リアルタイム経営」というビジネスモデルの変革を求められることになりますが、簡単ではありません。


 

 知的創造社会は「グローバル・リアルタイム経営」を求める企業は大企業、ベンチャー企業の区別なく「コーポレーション」から「コラボレーション」への変容を求められます。

 「コーポレーション」とは「従来型の企業形態」を意味していますが、従来型の企業の多くはITの進化にともない他社と共有、協調できる基盤上で「生産技術」、「販売の仕組み」、「顧客とのリレーション」などのビジネスプロセスの改革を行う「コラボレーション」への移行を余儀なくされ、自社の本来行うべき事業とは何かを問われ、コアビジネスの構築を求められる状況に直面します。

 すなわち、自社の得意分野・商品の重点化して、独自の差別化戦略を図る・・コアな部分と、他社と「協調」して「依託」する「コアでない部分(ノンコア)」に機能を切り分ける必要に迫られます。 下図に示すように、「今後企業は事業を行う際、いかに外部の経営資源を活用するかということが問われ、この為には各事業をコアな部分、ノンコアな部分、共通部分に機能的に切り分けることになります。  「コアな部分」を知的財産権とするために各企業は「知的財産」の専門家を自社に雇用する必要に迫られ、最近では「知財専門家の育成」が叫ばれるようなりましたが、これは知的創造社会におけるファンダメンタルといえます。

 

コーポレーション型のビジネスモデルは「安定的な成長見通し」、「変化は予測可能」、「自部門/自社のみで顧客ニーズを満足できる」など「指示と統制」、「総合志向〜自前主義/抱え込むシステム」の中で国家に保護される

 気楽なビジネスモデルであり単純に「物を製造して売る」経営、「メイク&セル」経営モデルといっています。ところがインターネットによってグローバル化がはじまりダイナミックなネットワークが形成されると競争環境に変化が生じ、機能特化志向のシステム下の顧客が主体となると新しいビジネスモデルが求められ、このモデルを「センス&レスポンド」型ビジネスモデルといいます。

 個人はビジネスモデルの変化を感知しながら企業の中の自分のポジションを確保することを自覚しなければなりません。 ビジネスモデルの変化を下図にまとめましたので、自分のポジション、生き方を自社で確認してください。

 

物的資源の少ない日本がグローバル化の中で成長していくためには国家、企業が「コアな部分」とは何かを追求する場合、「コア・コンピタンシー」とは何かを問われ、知的資源たる知的創造物の生産を求められます。
 米国のドラッガ−は「今後、経営にとって知識は唯一の有効な資源である」と言っていましたが、今その資源の競争が現実のものとなり、「知的創造こそが価値を生み出す」ことが広く認識されつつあります。
 ところが、知的創造物を生み出すためにはその「知的創造」の方法論を環境変化に対応して考えていかなくてはなりません。

 「知的創造」とは一般には人間が「知」を用いて創意工夫することで、新しいアイデア、物、システムなどを創造することをいいますが、「創造」とは「従来の業務や活動」と性質が異なり、参考となる雛型もなければ、信頼に足りるルールやプロセスもありません。それどころか成否の判断基準すら存在しないのが現状であり、一般的には「創造」を生み出すプロセスはある意味で一回限りの神技であったり、個人あるいは集団のイマジネーションが大きく飛躍した結果であって、事前に計画することも、真似することもできないものと考えられています。

この意味で「創造」とは「日常業務」に対極する位置と考えられます。

 しかし、一方で素晴らしいアイデアを継続的に生み出す企業や個人が存在していることも事実であり、新しい戦略、新しい事業、新しい業務プロセス、新製品など・・・これらの企業・個人が打ち出すアイデアは様々なものがあります。

 一般に「知的創造」というとITなどのサ−ビス産業が知識の価値の源泉と考えられます。すなわち工場や設備などの有形資産よりもサービス産業から生み出される「無形資産」が価値の源泉であり、従来工場が生んだ価値に対して「組織・顧客との知識共有と共創や知財」が流通する市場こそ価値を生みだすという事実がグローバルに示されてきています。 一般的には価値を生み出すのは知的で高度な人間が主役であり、普通の人間はその主役になりえないと考えられがちですが、実は各分野の普通のプロフェショナルが集積して知的創造が生み出されることが多く見られます。

 この意味では企業はプロフェショナルな人材をいかに結集できるか、個人はいかにプロフェショナルであるかが問われる社会になったといえます。すなわち「従来と同じ働き方、組織のありかたはすでに限界を迎え、正にプロフェショナルの意味が問われる時代が到来していると言って良いでしょう」。


次回は知的創造社会における個人の生き方について述べたいと思います。(7月中旬頃公開予定)
金沢工業大学大学院 知的創造システム専攻
 
この記事を寄稿してくださった池田 誠教授は、現在『金沢工業大学大学院知的創造システム専攻』にて
e-Businessプロフェッショナルコースの指導教員として活躍されています。

様々なバックグラウンドを持ち、それぞれの分野の第一線で活躍される方々が指導教員として、「生」の授業を展開しています。

是非、こちらのWebサイトもご覧ください。

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