従業員エンゲージメントのレベルアップ:ピアソンVUEグローバルHR担当シニアディレクター スコット・シャボーに聞く

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ピアソンVUEで配信する試験は、成長の促進や、試験認定団体がその業界で期待に応えるための助けになるなど、世界中のコミュニティで直接的なプラスの効果を生み出しています。このシリーズでは、ピアソンVUEがこのような貢献を実現する方法について掘り下げるために、当社のビジネスに携わり、アセスメントの特定の分野で持続的な影響力を持つ人物にインタビューします。

今回は、組織の目標達成と従業員エンパワーメントの強化を両立させるアプローチに焦点を当てます。スコット・シャボーは、ピアソンVUEのグローバルHR担当シニアディレクターです。ワークフォース戦略の構想と、インクルーシブな文化、エンゲージメント、継続的な成長のサポートにおいて極めて重要な役割を担っています。人事業務と組織全体のビジネス目標を整合させ、目標達成に必要な職場文化を醸成するには、何が必要でしょうか。

Scott Chabot
グローバルHR担当シニアディレクター

Q. スコット、あなたについてもっとよく知りたいので、まずはあなた自身のことを少し聞かせてください。モチベーションとなっているのは何ですか。

私の原動力は、個人的な願望であろうと仕事上の努力であろうと、周囲の人が目標を達成するための助けになりたいという純粋な願望です。これはピアソンVUEの同僚だけでなく、家族や友人との関係でも同じです。私にとって目標達成とは個々が追求することではありません。目標達成は、集団となって目指す行程であり、自分だけでなく自分のチームや担当外の部署の利益のために常に最善を尽くす動機となっています。

Q. ピアソンVUEでの役割について、簡単に教えてください。1日の流れはどのようなものですか。

私はピアソンVUEのグローバルHRチームを統率する立場にあります。このチームは人事業務に精通した熱意あるメンバーで構成され、各部門のリーダーたちと密接に連携し、世界各地にいる従業員のサポートや指導を行っています。

私の1日の業務には色々な側面がありますが、かなりの時間をワークフォース戦略の維持と進化に向けたリーダーシップチームとの連携に使っています。人事業務、ポリシー、イニチアチブが戦略的にリンクし、組織全体のビジネス戦略やパフォーマンス目標をサポートしていることを確実にすることが私の職務です。

Q. 人事業務と組織全体のビジネス目標を整合させることが職務の重要な部分ということですが、そのためにシニアリーダーシップチームとどのように協力していますか。

(人事施策と一致させるための) シニアリーダーシップとの連携には、強固な関係を構築すること、組織全体の目標を理解(およびサポート)すること、人事のイニチアチブがピアソンVUE全体のビジネス目標達成にどのように寄与するかを効果的に伝えることなどがあります。集団として目標達成を経験することで、信頼に基づく職場環境が育まれ、目標達成を共有するとともに次の目標達成の基盤とすることができます。

例えば、バリューチェーンの上流でビジネスをさらに成長させる目的では、事業開発チームと組んでビジネス拡大の重要なビジネス機会を探っています。このような密接な協力関係は、当社のビジネス機会が潜在している人材プールや市場動向を私たちが把握する上で助けになっています。 

動向の把握により、最適な人材を惹きつけられるよう採用戦略を調整できます。人材獲得のベストプラクティスと市場拡大というビジネス目標を整合することで、人事部門は組織全体の持続的な目標達成に直接貢献しています。

Q. この数年間で当社の企業文化にどのような変化が見られましたか。

意見が聞き入れられ、自身が尊重され、大切にされているとすべての従業員が実感できるインクルーシブな文化をサポートしてきたピアソンの成長をとても誇りに思っています。従業員一人ひとりが責任を共有し、基準を引き揚げながら、各自の説明責任を負っています。HRチームはより広範なイニシアチブをサポートしており、例えば「ピアソン・インクルーシブ・ラーニング・エクスペリエンス」という、当社や当社とともに働くすべての人に帰属意識(ビロンギング)を抱かせる文化を醸成することを狙いとした一連の取り組みなどです。このようなイニシアチブはすべての従業員に有益な学習機会をもたらし、ピアソンVUE全体を継続的に向上させる文化と、インクルーシブな職場環境に向けた取り組みをサポートします。

Q. 当社では従業員エンゲージメントを定期的に計測しています。収集されたデータはどのように有意義に利用されていますか。

当社のリーダーシップチームは従業員エンゲージメントを極めて重要視しています。なぜなら、全員が最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を整える上で有効だからです。従業員エンゲージメントが高い人材は、モチベーション、コミットメント、生産性も高いことが多く、ビジネス全体にプラス効果をもたらします。

ピアソンVUEでは、Gallup Q12というエンゲージメント調査を利用し、パフォーマンス結果との結びつきが証明されている12の実践的な職場要素を測定しています。 Gallupの調査で、チーム内のエンゲージメントのばらつきの70%が、マネージャーのみに起因していることが判明しています。 マネージャーは従業員と会社を結ぶ重要なリンクであり、実際に従業員エンゲージメントを高めるための重要な要因であるという点に異論はありません。当社のHRチームは、マネージャーが調査結果の読み取り方を理解し、データが示す情報に基づいて有意義な対応を計画できるようサポートしています。

次に、データから得た分析情報を、会社レベルの目標とチーム単位の目標の両要素の情報提供に役立てています。例えば、会社全体での2024年の重点領域の1つは従業員の評価です。私たちはリーダーシップチームとして、従業員の日々の素晴らしい働きや、ピアソンVUEの価値観を体現している事例がより多く評価されるよう努めています。

功績を評価することは重要であり、認められた功績は繰り返され、エンゲージメントを高める結果となるのです。

Q. 当社の人材戦略を形成する新たな方法についてどのように考えていますか。

会社の目標を達成するには、組織の将来に向けた説得力があるビジョンを明確に伝えるとともに、そのビジョンを達成する上での人材の役割を明らかにする必要があります。

ピアソンVUEはこれを非常にうまく続けていると思います。このことは、従業員エンゲージメントデータと全体的な業績の両面で証明されています。人材の採用と定着の観点では、当社が業界の市場リーダーであることの恩恵を受けており、業績達成を追求する当社の文化がこの成功の大きな要因です。競争的優位を維持しながら成長するためには、変化する市場の状況、業界の新たな動向、組織のニーズの進化に適応する人材戦略が必要です。

Q. 顧客ニーズは絶えず進化しているため、私たちはビジネスのさらなる成長と変革のための長期戦略を策定しています。人事部門が今後果たす役割について教えてもらえますか。

私たちは当社の長期的な成長戦略に意欲的に臨んでいます。HRチームは、戦略の立案と、ワークフォース戦略とビジネス目標の整合性確保に深く関わっています。これには、当社のグローバル人材戦略や、優秀な人材を惹きつけて維持する方法のほか、従業員が自分の強みを活かすとともに業界の今後の課題に対処するための新しいスキルを習得する機会を提供することまで、あらゆることが含まれます。

Q. 大企業の人事部門は、新しい働き方に適応するため変化し続けています。将来を見据えたとき、人事部門のリーダーにとって最も緊急性の高い優先事項は何でしょうか。

HRチームが今後数年間で重要な役割を果たすことになる分野をいくつか特定しています。例えば、進化するテクノロジーや業界のトレンドに遅れをとらないための継続的な学習の文化を推進し続けること、多様性、公平性、包括性の取り組みを支援すること、組織の長期的な成功に不可欠なものとして従業員エンゲージメントを重視することなどです。また、ワークフォース・レジリエンス (労働力の回復力) の確立、イノベーションの促進、今日のビジネス環境のダイナミックな変化に対応できる企業文化とコミュニティの構築の点でも、人事部門は極めて重要な役割を果たします。